年頭のあいさつ
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は法人で取り組んでいる様々な分野で成果を上げることができました。
アート活動の成果としてラッピングバスの運行が実現したり、5月には厚生労働省の幹部の方々の視察があり現場の視点から意見交換ができました。
さらに、12月には広島で行われました障害者支援施設の全国大会で地域移行と意思決定支援のテーマで当法人職員が発表しました。今月は日中支援部会の埼玉県での全国大会にて職員が発表する予定です。
11月には「さぽーと」の訪問記の取材があり、12月号に山形県内ではここ40年で、3例目として取り上げていただくことが出来ました。
今年も障害児入所施設や中長期計画の作成などが予定されていますが、力を合わせて利用者の幸せのための事業を実施して参りたいと思います。
この年末年始と自分の不摂生から、体調を崩し布団の中での新年となりましたが、ビィクトールフランクルの「それでも人生にイエスと言う」を、改めて読み返しました。
フランクルはユダヤ人であったため、ドイツの強制収容所に収容され、両親そして最愛の妻も失うこととなります。フランクル自身も常に死に向き合いながら、奇跡的に生還を果たし、その経験をもとにこの本が書かれました。そんな体験をしながらも人生を肯定するフランクルの生き方に惹かれます。この本の中で、フランクルは人生を豊かにする三つの価値に言及しています。一つは創造的価値、端的に言えば、仕事を通して新しいことを創造することです。
二つ目は体験的価値です。身近な人や植物そして動物を愛することです。本の中で重い障害のある子供を持つ母親についてふれ、母親は子供を愛することで人生において最も大切なものを得ていると書いています。
そして三つ目は態度的価値です。私たちは人生において様々な試練にあいます。病であったり障害であったり、身近な人との別れであったり予期せぬ災害であったり、そのような試練にどのような態度で臨むかそこに価値があるとフランクルは考えます。試練を受け止め、試練を宝にかえいく生き方が態度的価値と言えると思います。私は障害を持ちながら日々懸命に生きる利用者は態度的価値に最もふさわしい人たちであると思います。
結びに、年頭に当たって、障害のある人に関わる私たちの仕事の意義や素晴らしさを確認したいと思います。今年一年、利用者中心の法人経営に努めてまいりますので、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和7年1月6日
愛泉会 井上 博