新年度に思うこと
3月の理事会で理事長職を拝命いたしました。
責任の重さを痛感いたします。ご支援ご協力どうぞよろしくお願いいたし
ます。
先日福祉協会の機関誌「さぽーと」の巻頭言に書かせていただきましたが、
利用者の権利を経営の中核に据える時代となりました。
わが国も大変遅れましたが障害者権利条約の締結国となりました。今年4
月からは国の差別解消法が施行され、同時に山形県の条例も制定されまし
た。障害のある人が地域でともに生きる時代となりました。
個人的な話になりますが山形県立総合コロニー希望ヶ丘に入職してから
40年の歳月が流れようとしています。当時重度の知的障害を持つ皆さん
への福祉施策はなくお母さんが将来を悲観しての無理心中があったり、
座敷牢に閉じ込められていたり、精神病院の個室に閉じ込められていた
人がほとんどでした。
当時の状況から言えば大規模コロニーはご家族にとっては福音だったと思い
ます。しかし、入所された利用者の皆さんは大変な状況でした。若いスタッ
フが必死に支えていましたが不幸なことに命を落とした人もあり悲しい現実
がありました。
このような弱い立場にある人をこのような状況におく社会のあり方に
怒りを覚えながらお世話に当たっていたことを思い出します。家族から地域
から隔絶された障害当事者の怒りや悲しみは想像を絶するものがあったと思
います。長い時代を経てようやく障害のある人の人間としての復権がようや
くなされようとしています。
この山形においてもどんなに障害が重くても地域で生活することができる地
域社会となるように課題は山積みですがスタッフの皆さんと力を合わせて
挑戦して参りたいと思います。一層のご支援をどうぞよろしくお願いいたし
ます。