社会福祉法人 愛泉会

「愛泉会」は、「楽しく自分らしく生きる」をサポートします。

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井上 博の「行雲流水」

行雲流水について

愛泉会のホームページが新しくなりこのブログの名前を四文字熟語にしたいとの話で随分考えた。しかししっくりとはいかず悩んだ末に推薦があった「行雲流水」にさせてもらった。「一日一生」という内村鑑三先生の言葉やかつてテレビで筑紫哲也さんが使っていた「多事争論」等が好きな言葉であるがどうも自分の今の心境には少し距離がある気がする。

庄司園長の部屋もできましたので是非アクセスしてください。今後法人として様々な情報を発信してまいりますので継続してアクセスしてください。

「行雲流水」の言葉のようにそんな自然の流れのような心を持ちたいが実際は程遠く、日々多くのことに振り回される自分の心がある。すこしでもそんな心持に近づきたいと願う。

今年の山形は雪が少なく大変楽な日々が続いたが先週は記録的な雪が降り積もった。山形市内は記録的な大雪となり雪片づけに大変苦労している状況にある。

朝の寒い中ほとんど毎日、冬の道を散歩している。今年は例年のコースではなく、自宅からさらに山に登るコースを歩いている。昔山形と仙台を結んだ街道沿いを40分ほど歩く。途中高瀬川の流水に癒されたり、白銀の美しさや、雪上の動物の足跡や青空を行く雲等を眺め凛とした空気を感じることができる。風の吹く音、鳥のさえずり、裸の立木等にふれることはほかのことでは代えがたい、最上の時間となっている。自然は人の心を癒してくれる。そしてその時間がいろいろなアイデアや方法に気づくことが多い。

今日も朝6時半ごろ歩いていると絶景の「熊度岩」が見えた。岩の高さが有に50メートルを超える大変大きな絶壁の岩である。それに昨日から降り続いた粉雪が岩肌を覆っていた。

この岩は何千年もほとんど変わらずにこの場にそびえ立ち、私たち人間のたたずまいを眺めてきたのだろう。

その岩のほこらに毎年鷲が巣をつくり、毎年数羽のひなが育つという。生命を育んでいるのだ。この岩は私たち人間をどのように見てきたのであろうか。そして人間は岩から多くのことを学んできたに違いない。多くの旅人は不動の岩に励まされ勇気をもらったに違いない。自然の命の流れに沿う生き方であれば楽に生きて行けるであろう。

ストレスの多い対人援助という私たちの仕事、特に若いスタッフには日々の中で自分のストレスセラピーを見つけてください。

愛泉会の利用者支援の基本理念について

 常務理事 井上 博

 愛泉会向陽園の実践も4月で29年目を向かえるがその中で利用者支援の基本理念について考え三つの理念として設定して20年近くなるだろうか。果たして時代も変わりこのままでいいのだろうかと思っているがそれほど古くなってもいないと思う。
まず「人権の尊重」依然として先日の千葉県事業団施設の職員による暴行殺害事件はじめ知的障害のある人に対する支援者による虐待事件があとを絶たない。障害者虐待防止法ができても少しも減らない。悲しいかな多くの知的障害のある利用者は言葉を持たず、不適切な対応を受けても抗議することも、反論することもできない。支援者にとって最優先は彼らの人権の擁護である。しかし、時代は流れて不適切な対応を受けないということだけではなく人として当然保障される権利が尊重される必要がある。「地域で生活する権利」「働き、活動する権利」「苦情を述べる権利」「質の高いサービスを受ける権利」「余暇を楽しむ権利」等々を保障する取組を行いたい。現在当法人の取組のなかで、入所施設向陽園から地域で生活する利用者は70名を超える。地域で生活し、地域で活動する仕組みをさらに推進したい。
二つ目は「自立支援」私は入所施設の職員として長く働いてきたがかつて入所施設は集団主義と訓練主義が支配的であった。障害のある人は長期間にわたって自立を強制される訓練を繰り返される。介助されることが少なるように日常生活面でも訓練され、毎日その繰り返しが長期間にわたって続く。そしてある人は施設でその生涯を終える。
現在の自立支援はひとりひとりの必要なサービスを受けて、自己決定による地域生活である。その発想はアメリカの自立生活運動に源を発する。障害のある人々は生活し活動するために必要なサービスを使う権利がある。それを保障するには各種のサービスが身近にあることが必要である。わが国わが県も障害のある方々の必要なサービスはまだまだ不十分である。必要な多くのサービスを立ち上げどんなに重い障害のある利用者も地域で生活できる基盤をつくりたい。
三つ目は「受容と共感」知的障害のある利用者は多く言葉を持たないため自分の想いは行動や仕草で表現することとなる。たとえばショートスティや施設入所で事前の情報もなく突然入所となる。すべては環境が変わる。人も場所も。どんなにつらくさびしいことであろうか。そしてその不安な想いは行動として現れる。
食べられなくなったり、突然施設から姿が見えなくなったり、自分の体を傷つけたり、物を壊したり、利用者のいわゆる課題行動のそのほとんどが孤独、淋しさ、あるいは体調不良からくるものであろう。そんな彼らの想いを受け止め共感することから私達の支援は始まる。彼らの想いを受け止め、彼らの障害から来るつらさや不自由さに共感することが大切である。私達支援者はこれまで多く行動だけを改善しようとして心内面にアプローチが足りなかったように思う。この三つの理念を大切にしながら又新しい思想や実践を参考にして利用者の自己実現につなげていきたいと思う。