blog庄司園長の部屋

「大変」は、自分を大きく変えるチャンス

今週は、「納涼大会」と「実地指導」という大きな行事(?)が2つ予定されています。

納涼大会については、今年で28回目ですが、法人の事業規模の拡大とともに年々拡大し、気付いてみれば、利用する方々やご家族、そして地域の方々や来賓の方々も含めると600~700名の方々が集う祭りとなっています。昨年は、雨により園の中での開催となりましたが、そんなに大きな数が入れるスペースがないため、皆さんに大変ご不便をおかけしてしまいました。また、グループホームで暮らす方々にも参加していただいていましたが、ホームで暮らす方々は、その地区の自治会の夏祭りに参加させていただいているため、園までわざわざ来る意味がなくなっているとのことでした。そんな訳で、今年は、ホームの方々には、希望があれば来ていただくようにし、少し規模を縮小する予定で進めています。しかし、行事担当者にとっては、参加者が少なくなっても大変であることに変わりがありません。毎夜遅くまで残り、打ち合わせや準備に奔走しているようです。

実地指導については、日ごろやっていることを見ていただくだけと言えば、それまでですが……。事業所のリーダーも変わり、実地指導を受けるのが初めてというリーダーが多く、書類の見直しや点検、そして制度等を再確認し、受け答えのシュミレーションにと、これも遅くまで残りがんばってくれているようです。

以前、援助職員が成長する切っ掛け、「一皮剥ける」切っ掛けについて記された本がありましたが、なかなか支援が上手く行かない利用者さんとの出会いと取り組み、そして任された行事の遂行があげられていました。納涼大会もそうですが、実地指導による点検や県の指導職員の方々とのやり取りも職員を大きく成長させる切っ掛けとなります。

米沢興譲教会の田中信生先生の著書「今日も一日お元気で365日」の7月23日のページは、「大変」について記されています。「大変」は「自分を大きく変えるチャンス」だそうです。納涼大会を担当する職員、そして実地指導を受けるリーダーが大きく成長することを期待し、「見守りたいと思います」……、という私も笑って見守れほど人間ができてはいません。そんな訳で昨日から稲盛和夫さんの「従業員をやる気にさせ7つの鍵」なる本を読みはじめました。

避難勧告解除されました

10日AM1:00に本沢川の氾濫に備え、向陽園がある本沢地区大字長谷堂川原地内、出倉地内に避難勧告が出されていましたが、AM5:45に解除されました。避難勧告が出された直後より職員にも駆けつけてもらい、非常時に備え園内で待機してもらっていましたが、何事もなく乗り越えることができたようです。台風の直撃は、今夜未明からのようです。職員も増員しながら対応したいと思います。ご心配されている方も多くいらっしゃると思いますので、簡単ではありますがご報告させていただきます。

また、深夜にも関わらず、多くの地区役職員の方々に駆けつけていただきました。ありがとうございました。

グループホーム開設の際の建築基準法等の緩和を求めて

先日、行われた県知的障がい者福祉協会と県議団の方々との懇談会に県協会の政策委員の一員として参加させていただきました。障がい者差別禁止条例の制定から施設、ホームでの利用者、入居者の高齢化や障がい者の働く場の問題まで様々なテーマで県議の方々とお話をさせていただきましたが、私が話題提供するように指示を受けたのが、障がい者の地域移行です。

グループホームの開設につきましては、当法人でも最近は、入居する方々に合わせて建物を建て開設する、いわゆる「新築での開設」が多くなっていますが、入居する方々の支援度が高く、既存の中古住宅では、生活しづらいということと、建築基準法や消防法による縛りがきつく、中古住宅を利用しても改修等にお金がかかるようになったことによります。

元々は、中古の賃貸住宅をお借りして開設するものがほとんどで、障がいを持つ方々が「住宅」として住まうというイメージでおりましたが、建築基準法では、地域により異なりますが、「寄宿舎」や「福祉施設」として、用途変更することが求められます。用途変更するためには、火災の際、逃げ道を確保したり、煙が他の部屋に行かないよう「界壁」、「隔壁」などを設けたりしなければなりませんが、改築工事を行うだけでかなりの額がかかります。当法人でも、中古物件を利用し、ホームを開設するため、県より補助を行い用途変更、消防法に適応させるための工事を行いましたが、6,000,000円ほどの費用が掛かりました。

新築のホームでは、入居する方々より月35,000円(国からの補助を引くと25,000円)の家賃をいただいていますが、食費や光熱費等も合わせると月60,000円ほどの額になります。障がい基礎年金1級の方は、月80,500円、2級で64,400円の年金を受給していますが、2級の方は、新築ホームでの生活は、困難です。東北地方のホームの利用者負担の平均額は、家賃補助を除いても、55,510円になるそうです。建築基準法等により新築のホームが多くなってきたのも負担が大きくなった要因のようです。

当法人でも様々な補助金や助成金をいただきながら、建設しましたが、国や助成団体の予算にも限りがあるので県単位で年に3~4カ所助成をいただければ良い方です。このままでは、ホームの立ち上げがますます遅れます。ホームを開設しようとする側からも入居する側からも地域生活の大きな足枷になります。

鳥取県や愛知県では、基準を設け、その基準を満たせば「住宅」として認めるという条例が作られたようです。グループホーム後進県の山形県であればこそ、英断をお願いしたいところです。

安全の確保は当然ですが、当法人のホームでは、スプリンクラーを入れたにも関わらず、市町村より防炎カーテン、防炎じゅーたんを入れるようにと指導を受けたホームがあるようです。安全第一ですが、際限がないですよね。