blog庄司園長の部屋

グループホーム開設の際の建築基準法等の緩和を求めて

先日、行われた県知的障がい者福祉協会と県議団の方々との懇談会に県協会の政策委員の一員として参加させていただきました。障がい者差別禁止条例の制定から施設、ホームでの利用者、入居者の高齢化や障がい者の働く場の問題まで様々なテーマで県議の方々とお話をさせていただきましたが、私が話題提供するように指示を受けたのが、障がい者の地域移行です。

グループホームの開設につきましては、当法人でも最近は、入居する方々に合わせて建物を建て開設する、いわゆる「新築での開設」が多くなっていますが、入居する方々の支援度が高く、既存の中古住宅では、生活しづらいということと、建築基準法や消防法による縛りがきつく、中古住宅を利用しても改修等にお金がかかるようになったことによります。

元々は、中古の賃貸住宅をお借りして開設するものがほとんどで、障がいを持つ方々が「住宅」として住まうというイメージでおりましたが、建築基準法では、地域により異なりますが、「寄宿舎」や「福祉施設」として、用途変更することが求められます。用途変更するためには、火災の際、逃げ道を確保したり、煙が他の部屋に行かないよう「界壁」、「隔壁」などを設けたりしなければなりませんが、改築工事を行うだけでかなりの額がかかります。当法人でも、中古物件を利用し、ホームを開設するため、県より補助を行い用途変更、消防法に適応させるための工事を行いましたが、6,000,000円ほどの費用が掛かりました。

新築のホームでは、入居する方々より月35,000円(国からの補助を引くと25,000円)の家賃をいただいていますが、食費や光熱費等も合わせると月60,000円ほどの額になります。障がい基礎年金1級の方は、月80,500円、2級で64,400円の年金を受給していますが、2級の方は、新築ホームでの生活は、困難です。東北地方のホームの利用者負担の平均額は、家賃補助を除いても、55,510円になるそうです。建築基準法等により新築のホームが多くなってきたのも負担が大きくなった要因のようです。

当法人でも様々な補助金や助成金をいただきながら、建設しましたが、国や助成団体の予算にも限りがあるので県単位で年に3~4カ所助成をいただければ良い方です。このままでは、ホームの立ち上げがますます遅れます。ホームを開設しようとする側からも入居する側からも地域生活の大きな足枷になります。

鳥取県や愛知県では、基準を設け、その基準を満たせば「住宅」として認めるという条例が作られたようです。グループホーム後進県の山形県であればこそ、英断をお願いしたいところです。

安全の確保は当然ですが、当法人のホームでは、スプリンクラーを入れたにも関わらず、市町村より防炎カーテン、防炎じゅーたんを入れるようにと指導を受けたホームがあるようです。安全第一ですが、際限がないですよね。