blog庄司園長の部屋

ご家族のご意見をもとに……

お盆休みも終わり、園の中もいつもの賑わいが戻ってきました。いつものことになりますが、休み中に勤務にあたられた職員には感謝です。

今年は、園を利用されていた方や働かれていた方々との突然のお別れも多く、今年のお盆は、そうした方々と暮らした日々や福祉に注がれた熱い想いを思い出しながら、お参りさせていただきました。

さて、来週は「山形県手をつなぐ育成会地域活性化事業」の方々が当法人のグループホームの見学にいらっしゃる予定です。

当法人のグループホームも現在13カ所目になりますが、送り出す側の向陽園を利用する方々の在籍年数を調べてみましたら、「10年2か月」との結果でした。設立から28年目の施設としては、いい数字かなとニンマリしていましたら、8月の初めに、ホームを利用するご家族より利用料の徴収方法について御意見がありました。

当法人では、グループホームの運営を開始した平成13年度より家賃、食費、光熱費については、前払いでいただいていましたが、請求書、領収書の記載が解り辛いということでした。

「皆さんにわかりやすい形に直すべきだ」ということで年度途中ではありますが、前払い制から他の事業(施設入所支援や生活介護)と同じように後払い制にさせていただくことにいたしました。

現在いただいている食費、光熱費を早急に清算させていただき、その後、食べた分、使った分だけ後払いとして、利用料をいただくことになりますが、ご利用する方々そしてご家族の方々には、後払い制になる前に、説明する機会を設けさせていただきたいと考えています。大変申し訳ございませんでした。

この秋には、例年行っている当法人の事業を利用している方々へのアンケート調査を行う予定です。忌憚のないご意見をお願いいたします。

そういえば、アンケート調査の結果に少し心が萎えていた時に、「ご意見をいただくことは良いことなんだよ」、「愛泉会はもっと自信を持て」と励ましてくれたのは、第三者委員をされていた渋谷さんでした。

あの頃より少し強くなれたかな。

 

 

種を蒔く夏

実地指導と納涼大会も無事終了し、ほっと一息と思っていましたが、今夜は、花笠祭りに参加するということで係りの職員は、朝から大忙しのようです。

さて、向陽園が開設した昭和61年より園で生活されていたAさんが、今週初めグループホームへと移られて行きました。

少し「あまのじゃく」なところがあるAさんでしたので、皆が作るアーチには後ずさりで、皆がいなくなってから、車に乗り、園を後にされましたが、プライバシーも十分に守られない環境の中での生活、そして入れ替わり、立ち代わりする職員に自分の想いを十分に伝えきれない苛立ちは、私たちが想像する以上に大変だったことと思います。

施設の中での生活を「出口の見えない避難所生活」と評された方がいらっしゃいましたが、できることならば、短期間で地域に出ていくことができるようにしていきたいものです。

先日、偶然街で出会った、とある市の福祉担当の方より、井上常務と私の2人が市庁舎にあらわれると、福祉担当者は凍りつくとの話がありました。「愛泉会は、今度、何を始めるんだ」「何の要望だ」と福祉担当の方々は戦々恐々となるのだそうです。「市街化調整区域の問題」、「建築基準法の問題」……、確かに大変なお願いばかりしてきましたね。

井上常務は、よく「勉強し、知識をため込む冬」という言葉を使われます。夏は、「種を蒔く夏」でしょうか……。納涼大会も、花笠祭りも、多くの方々に障がいを持つ方々のことを知っていただくこと、いうなれば障がいを持つ方々が普通に地域で生活していくための土台作りが目的です。

そして、今年は、国庫補助の要望調査も夏にずれ込んでしまったようです。私たちが生活するこの圏域は、障がいを持つ方々が地域で普通に生活するための資源や理解が十分とは言えません。新たな社会資源の立ち上げのために、種を蒔く夏にできればいいですね。福祉担当の方々には、幽霊屋敷より怖い思いをさせるでしょうが……。