blog庄司園長の部屋

困った時の………

6月に入り、「園長の部屋」を書いていないことに気づき、はてさてこの半月何をしていたのかと、スケジュールノートを眺めています。以前のように特定の仕事を任されたり、グループやチームを任されたり、といった仕事ではなくなりましたので、何か特別なことをしたという実感がないのですが、振り返ってみると、外部の方に協力等のお願いに行ったり、向陽園管轄の各部署のサービス管理責任者やリーダーと話をしたりと、多くの時間を人とお話しさせていただくことに費やしていたようです。

さて、私たちは、利用する方々の支援・援助を行う時、「ケースワーク」、「グループワーク」、「コミュニティーワーク」などの方法、技術を用いるわけですが、その道程は、「インテーク」、「アセスメント」、「プランニング」、「インターベーション(介入)」、「エバリュエーション、モニタリング」、「終結」の6つに分けられます。「インテーク」は、受理面接、初回面接などと訳されますが、ほんの数時間かもしれない、初回の面接を、一つの過程として大切にするには訳があります。私も含めての話になりますが、自分自身または自分の家族に困りごとが起きた時に私たちが真っ先に相談するのは、親や家族、友人や学校の先生など身の回りの人間です。役場や施設、相談所など公の機関に出向き相談するのは、最後の最後、思いつく限りの所を駆けずり回って、ようやくたどり着くのが福祉サービスと言われています。相談に来られる人たちは、「疲れ果て」、「自分自身に無力感を抱き」へとへとの状態です。また、様々な機関に相談に行ったが、たらい回しにされ、「私の想いなんて誰にも解ってもらえない」と福祉への不信感を抱いて訪れる人もいることでしょう。私たちが「情報」などと呼ぶ、身の回りのできごとは、ご本人にとっては、ネガティブな側面を持っています。赤の他人に自分のネガティブなことを話さなければならない辛さは、推して知るべしです。それ故、初回面接である「インテーク」段階は、重要です。

計画相談が必須になり、短期入所をご利用したいという相談や入所を希望したいという相談が多くなってきました。短期入所については、新規での申し込み、契約が週1~2という状況です。利用する方々にとって、私たち事業所の敷居が低くなったのであれば、大変喜ばしいことです。それに比例して、短期入所担当の今野リーダーと話をする時間も多くなってきました。より多くの方々のご希望、ご要望に応えるための方策を検討するためですが、今野リーダーもお話を聞いた方々の想いに応えるため、必死です。国では、「障がい児・者の地域生活支援の推進のための多機能型拠点構想」として、20人規模のグループホーム、30人程度の障がい者支援施設を作り、コーディネーターを配置しようと考えているようです。今野リーダーは、まさにコーディネーターの先駆けと言えるでしょうが、短期入所を利用する方々への直接的な支援も行わなければならないので大変です。現在の制度では、併設型の短期入所は、施設入所支援の付録(言葉が悪くてすいません)のようなもので、施設入所支援の職員が兼務です。しかし、区分5、6の方が7割以上という中では、施設入所支援に余力などありません。報酬改定では、短期入所支援職員の専従化を求めたいところですが、短期入所支援の専従職員の配置は、「社会福祉法人の地域貢献」の一環として、法人持ち出しでしょうか……。

「困った時の向陽園」と言われるようになりたいですね。