blog庄司園長の部屋

福井さんのブログ拝見しました

このブログを書かせていただくようになり1年、何だかんだと言いながら、30回目となりました。時々、お会いする方より、「読んでいるよ」と声掛けしていただくたびに、恐縮するばかりですが、今朝出勤すると、サービス管理責任者の深瀬さんから、当法人のサービスを利用していただいている方の親御さんより、「福井公子さんのブログを読んで欲しい」との伝言を預ってきたとのことで、早速福井さんのブログを読まさせていただきました。

「親亡き後」というタイトルで、グループホームのこと、そして前回記させていただいた地域生活支援拠点のことが親御さんの視点から述べられてありました。福祉については、「公助、共助、自助」などという言葉をよく使いますが、福井さんは、日本はまだまだ「自助」の側面が強い、障がいを持つ方々の居住の場は、親との同居が圧倒的に多い。親には親の生活が、そして子供には、子どもの生活があっていい。障がいを持った子供の親は、自分が死んだ後のことまで責任を持たなければならないのか……。

「スープが冷めない距離」などと言いますが、愛泉会では、生まれ育った家から「スープが冷めない(少し冷めた方がいいかな?)距離」にグループホームがあったらいいなと考えています。そして、「家に勝る生活の場はない」と言う人もいますが、手をつなぐ育成会の役員の方の言葉を拝借すれば、「グループホームは2番目に好きな場所」で良いと思います。決してご家族の方々には勝てませんが、2番目に好きな場所になってもらえればといホームを作っています。

そして福井さんのブログに「夢」として、「ケアラー支援センター」構想が載っていました。不勉強で申し訳ございませんが、「ケアラー」とは、ご家族に障がいを持つ方、お年寄り、病気の方がおり家でケアをしている人のことを言うのだそうですが、大変ご苦労されているようです。そうした方が好きな時に来て憩い、主人公になれる場、それが「ケアラー支援センター」のようです。愛泉会の新しい事業に頂戴してもよろしいでしょうか。「ケアラー喫茶」、「ケアラー居酒屋」……。

なお、福井さんのブログは、「生活書院」のホームページに掲載されております。

第4期山形県障がい福祉計画(案)について

前回、グループホームのスプリンクラー設備設置について、ご紹介させていただきましたが、今年度計画していた「つばさ」、「あすなろ」につきましては、先週初めに正式に交付決定をいただき、ようやく工事を開始いたしました。入居する方が生活する中での工事になりますので、生活に支障をきたさないように施工業者さんと連携を取りながら進めていきたいと思います。一安心とほっとする間もなく、ホーム等へのスプリンクラー設置のための財源が補正予算として承認されたということで、さっそく新たな申請の通知が県よりあり、次のホームへのスプリンクラー設備設置に向け、申請を開始しました。補助金をいただけるのは、大変ありがたいことです。

さて、山形県手をつなぐ育成会さんのブログでも「第4期山形県障がい者福祉計画(案)」について紹介されておりましたが、先日行われた「社会福祉関係団体と県担当課長との懇談会」に参加させていただき、福祉計画の概要について、説明をお聞きしてきました。様々な団体の方々が参加しての懇談会でしたので、あまり多く発言することはできませんでしたが、「実践する者」として何点か気になることがありました。

一つは、計画の目的、「県内のどこに住んでも必要とされる訪問系サービスの保障」です。山形県内で障がい福祉関係のホームヘルプサービスを行っている事業所のほとんどは、市町村の社協さんか民間企業で、社協さん以外の社会福祉法人で行っているのは、愛泉会ともう1カ所だけのようです。日本知的障がい者福祉協会で全国の事業所に調査したところ、収入面で苦戦している事業所がほとんどのようです。愛泉会のホームヘルプも利用時間が伸びても収入が上がらない状態です。障がい福祉の場合、ヘルパーさんと一緒に休日など映画を見に行ったり、プールに出かけたりすることができるのですが、その支給が、障がいの状況によって国の制度である「行動援護」と市町村事業である「移動支援」に分けられるのだそうです。事業者がいただく報酬では、「行動援護」の方が「移動支援」より高いのですが、なかなか市町村は、「行動援護」を認めてくれないのだそうです。全国調査で、善戦している事業所の多くは、市町村に理解があり、「行動援護」を支給してくれる地域の事業所のようです。いっぱい儲けが欲しいと言っているわけではありません。事業者が独り立ちするまでの間、力添えをお願いしたいものです。

二つ目は、これも目的の「グループホームの充実及び地域生活支援機能の強化」です。グループホームの充実は、大変ありがたいことですが、成果目標に「地域生活支援拠点の整備」があげられています。「地域生活支援拠点」については、まだまだ定義がはっきりしませんが、グループホームは基本的には、定員10人まで、ただし、「短期入所の部屋やホームの体験利用の部屋が一緒にあれば、定員20人まで認める」といった内容の事業所のようです。どう見てもミニ施設ですよね。24年の報酬改定では、施設に併設された短期入所ではなく、日中事業所などに短期入所の部屋を設けた「単独型短期入所」の加算が大幅にあげられました。「より身近な場所で、気軽に短期入所が利用できるようにしよう」という目的だったと思いますが、以外にも大変です。10月にできた「月のひかり」で行っているのですが、縛りがきつく事業立ち上げまでに難航したようです。また、月のひかりは児童専用ですが、大人の短期入所の場合、障がい支援区分との関係で、スプリンクラー設備が必要のようです。そんなこんなで国は、日中事業所での短期入所をあきらめたのでしょうか。グループホームでの短期入所は、「あすなろ」でもやっているのですが、「ホームは、入居する方々の家。職員が勝手にお客さんを止めるのは、反対」という声が現場のスタッフからは、聞こえます。ホームで生活する方々もそしてご家族も見ず知らずの人間をホームに入れることには、抵抗があるのではないかと思います。

愛知県や鳥取県は、グループホームをもっともっと多くするため、建築基準法を緩和する条例を作りました。より良い制度、使いやすいサービスにするためには、思い切った規制の緩和措置も必要と思います。山形県の福祉がもっともっとよくなる福祉計画であってほしいと思います。