blog庄司園長の部屋

より良い支援者を目指して

新年度体制になり3週間が経過しました。職員の入れ替わりもあり、この3週間は、異動してきた職員と新採職員の練習期間としてベテラン職員と一緒に夜勤等に入ってもらいましたが、今週からはいよいよ独り立ちです。経験年数が高い職員に練習がいるのかと疑問に思うこともあるのですが、向陽園の場合は、地域移行等もあり利用する方々の変動が激しいため、経験年数が高い職員でも1,2度は慣れた職員に付いてレクチャーを受けないと変則勤務に入れないのだそうです。マニュアル等の整備にも課題があるのでしょうが……。

さて、今年度は、11名が新たにスタッフとして加わりました。その内8名が大学、短大を卒業したての「新卒職員」です。最近は、どの会合に参加しても、福祉職場の人材不足、人手不足が話題になりますが、3K職場、5K職場として敬遠される中、愛泉会を志望してくれた若い職員には、立派なソーシャルワーカーになってもらいたいと願うばかり……、いや、立派なソーシャルワーカーに育てなければならないと自分の職の重さを改めて感じるところです。

そんなわけで、先日よりバイステックの「ケースワークの原則」の読み直しを行っています。「ケースワークの原則」については、大学時代に購入していましたが、尾崎新先生が翻訳し直したものが出ているということで、新たに購入し、読んでいますが、なかなか手強い……。

バイステック先生がこの本を書き始めたそもそもの動機が、援助を進める上で大切だと言われながらも、十分に説明されていないクライエントと援助者との間の『援助関係』を理論化すること。裏を返せば、利用する方と支援をする側の関係は、そんなに簡単に築けるものではないよ、関係を築くためには、大切な原則があって、それを学ばなければ、『援助関係』なんて築けないし、良い支援なんて行えませんよ、ということではないでしょうか。

利用者と支援者の関係は、対等だと言いますが、対等な人間関係を経験してきた人間なんてそんなに多くはいないでしょう。人と人との関係と言われ思い浮かぶのは、「教師と生徒との関係」だったり、「親と子の関係」だったりです。どちらも上下の関係で、対等だと言いながらも、支援現場では、無意識のうちに、「教師役」、「親役」で指導を行ってしまいます。「ケースワークの原則」は、そうしたことを意識して支援を行いなさいと教えてくれます。

それでは、お前は対等な関係が築けているのかと言われると、言葉がありませんが、日々、上になったり、下になったりしながらも、なんとか対等になるようにしようと努力はします。それが「日々の振り返り」でしょうか。

今日は、天気が良く、園デイの方々と馬見ヶ崎河畔で花見をしてきました。土手の上では、別の団体の職員が、大きな声で、「自分で弁当を取りに来れる人は取りに来てください」、「自分でできることは、自分でするようにしてください」と呼びかけていました。遠足や旅行では、先生からそんな声掛けしか受けてこなかったのでしょうね。