blog庄司園長の部屋

愛泉会の職員は何故自由な服装で仕事をするの……?にお応えして

山形市内は、朝から雪が降りやまず、管理員さんは、早朝から休む間もなく除雪車の運転です。幸いどこの事業所からも雪による被害の情報は入っていませんが、どこの事業所も、早朝から除雪で大忙しではないかと思います。大雪になると、除雪等で営業開始時間が遅くなるものですが、愛泉会の職員は、利用する方々の生活リズムを崩さないようにと、大雪の日は、朝早くから出勤し、いつもの送迎時間に車が出発できるようにと準備をしてくれています。こちらから命令するわけではなく、事業所で話し合い実施してくれるようです。本当に頭が下がります。

さて、かれこれ17、8年ほど前になるでしょうか、権利擁護、倫理綱領等の作成のため、北海道の「剣淵北の杜社」さんに1週間ほど研修に行かせてもらった時も今日のような大雪でした。当時、施設で働く職員の格好と言えば、ジャージにトレーナー姿が一般的で、向陽園もお揃いのジャージではありませんでしたが、職員は皆、ジャージ姿で働いていました。たまにジーパンやスラックスで出勤すると、「今日はお出かけ?」と利用者さんから質問を受けるような感じでした。剣淵北の杜社さんにも一応は、スラックスでお邪魔したのですが、あいさつが終わっても、一向に着替えをしろと促されることはなく、一日スラックス姿で現場で働きました。周りで働く職員の方々は、それぞれジーパンやスラックスで、ジャージ姿の職員は一人もいませんでした。

剣淵北の杜社さんは、当時としては、飛び抜けて進んでいた施設で(向陽園が遅れていただけでしょうか)、夜間、利用者さんが飲酒することが自由でデイルームでお酒を飲んでいる方もいました。たまたま、管理職の人が居合わせて、酒でも飲むかということでお酒をいただいたのですが、その時、職員の服装のことを尋ねると、「職員自身が自分の個性や好みを大切にしなければ、利用する方々一人ひとりの個性や好みを大切にすることはできない。また、利用する方々にとっては、職員も一つの環境だ。赤い服の職員がいたり、青い服の職員がいたり様々いる。そして次の日は、また違った色の服装で出勤する、その方が変化があり良いのではないか。施設だからジャージではなく、市井で暮らす人間と同じ服装でいた方がよりノーマルではないか。だから職員には、思い思いの服を着てもらっている。」とのお話でした。

そのお話に共感し(何を学びに行ったか分かりませんが)、向陽園に帰るや否やジャージで働くことを止め、気に入った服装で毎日出勤するようにしましたが、当初は皆、猛反対でしたが、村井センター長をはじめ考えに共鳴してくれる人も出始め、徐々に愛泉会で働く職員の姿も変化し、現在は、大半の職員がジーパン姿で働いています。

先日、愛泉会の事業を利用する方々、ご家族にサービス内容等について、アンケートをお願いしたところ、服装や容姿に関するご意見をいくつかいただきました。以前も「老人施設では、同じユニフォームで働いているところが多い。向陽園もそうしたらどうか」というご意見をいただいたことがありましたが、このような意図で職員の服装を自由にしているところです。社会人として度を越したもの、周りにいる方々に不快感を与えるような格好については、言語道断ですが……。

現在、皆さんからいただいたご意見を元に、それぞれの事業所でサービス、環境改善に向けた、改善案を検討しているところです。来年、法人設立から30年目を迎えますが、いくら年月を重ねても、時代やニーズ、皆さんの声に応じて、「変わる力」を持ち続ける愛泉会でいたいものです。