blog庄司園長の部屋

福祉の仕事で大切なものは……

先日、平成27年度新規採用職員の採用試験が行われました。

昨年から面接の場に立ち会わせていただいておりますが、今年は、2つの事柄を質問させていただきました。

一つは、「『福祉の仕事』を体の部位に例えると、手、足、耳、目、口、鼻のどの部分だと思いますか?」という質問です。

私自身は……。若いうちは、「体力で勝負」「迅速性が大切」などから手や足などと答えていたかもしれませんが、最近は、「福祉の仕事=耳」ではないかと考えています。

傾聴はもちろんですが、受容、共感なども相手の話をよく聞くことから始めます。

「プロカウンセラーの聞く技術」によると、「人の話を聞く時には、自分がどう答えるかを考えないで聞くことが大切だ」と書かれていておりますが、私自身は、言われたことに応えなければならいと思うためか(自分の想いを主張したいため?)、ついつい自分の考えをまとめながら聞いてしまいます。まだまだ未熟です。

もう一つの質問は、「学生時代に読んだ本、もしくはこれまでに読んだ本の中でもっとも大切な本を教えてください」というものです。

私が、学生時代にバイブルにしていたのは、大江健三郎先生の「新しい人よ目覚めよ」や「バイスティックの原則」などでしたが、糸賀一雄先生や福井達雨先生の本を読みながら友達と夜遅くまで酒を酌み交わしておりました。

今年度から総合施設長職を拝命し、法人全事業所の職員が日々の支援の中での気づきをまとめた業務日誌を読ませていただいておりますが、日々接する方々の声なき声、言葉では上手く伝えられない思いを汲み取ろうと頑張ってくれています。

特に、北部支援センタースタッフの視線には感服です。

先日も「良くそこまで考えられるな」、「~こんな風に解釈してくれているんだ」と涙が出そうになりました。

糸賀先生は、重度心身障がい児がおむつ交換の時に、腰を上げる姿を見て、保母の仕事の大変さを少しでも和らげようとする行為であると、重度障がい児の自己実現の姿を見出しました。

大切なのは、捉える「目=感性」でしょうか。

「感性」は自ら磨いていくものですね。

雨だれやしずくよりもパチンコ玉を目で追い楽しむ、私が言うのもなんですが……。