blog庄司園長の部屋

種を蒔く夏

実地指導と納涼大会も無事終了し、ほっと一息と思っていましたが、今夜は、花笠祭りに参加するということで係りの職員は、朝から大忙しのようです。

さて、向陽園が開設した昭和61年より園で生活されていたAさんが、今週初めグループホームへと移られて行きました。

少し「あまのじゃく」なところがあるAさんでしたので、皆が作るアーチには後ずさりで、皆がいなくなってから、車に乗り、園を後にされましたが、プライバシーも十分に守られない環境の中での生活、そして入れ替わり、立ち代わりする職員に自分の想いを十分に伝えきれない苛立ちは、私たちが想像する以上に大変だったことと思います。

施設の中での生活を「出口の見えない避難所生活」と評された方がいらっしゃいましたが、できることならば、短期間で地域に出ていくことができるようにしていきたいものです。

先日、偶然街で出会った、とある市の福祉担当の方より、井上常務と私の2人が市庁舎にあらわれると、福祉担当者は凍りつくとの話がありました。「愛泉会は、今度、何を始めるんだ」「何の要望だ」と福祉担当の方々は戦々恐々となるのだそうです。「市街化調整区域の問題」、「建築基準法の問題」……、確かに大変なお願いばかりしてきましたね。

井上常務は、よく「勉強し、知識をため込む冬」という言葉を使われます。夏は、「種を蒔く夏」でしょうか……。納涼大会も、花笠祭りも、多くの方々に障がいを持つ方々のことを知っていただくこと、いうなれば障がいを持つ方々が普通に地域で生活していくための土台作りが目的です。

そして、今年は、国庫補助の要望調査も夏にずれ込んでしまったようです。私たちが生活するこの圏域は、障がいを持つ方々が地域で普通に生活するための資源や理解が十分とは言えません。新たな社会資源の立ち上げのために、種を蒔く夏にできればいいですね。福祉担当の方々には、幽霊屋敷より怖い思いをさせるでしょうが……。