blog庄司園長の部屋

併設型の短期入所は制度として限界に来ているのでは?

「重度障害者支援加算Ⅱ」について、ブログを書いたら、様々な施設の方から、問い合わせの電話をいただきました。私がおこたえできるのは、ブログに書いてあることぐらいで、「詳しいことは、日本知的障がい者福祉協会のホームページを見てください」とおこたえするのが関の山ですが、どの施設も行政機関に問い合わせても、明確な回答が得られないということで、藁をもつかむ思いで電話をかけてこられたようです。

入所支援を行う施設は、確実に障がいの重い方々の生活の場になりつつあります。向陽園は、平成19年10月に新事業体系に移行したのですが、平均障がい支援区分は、平成19年度4.3、昨年度が4.8と0.5ポイント高くなっています。障がい支援区分が低くとも社会生活を送る上で課題があって入所される方もいらっしゃるので、支援区分だけで推し量ることはできないのですが、先の加算の対象となる行動援護点が高い方々は、全利用者の50%を超える数となっています。地域生活への移行がどんどん推し進められ、施設が障がいの重い方々の生活の場(障がいが重いから地域で生活できないわけではありませんが……)になることは決して悪いことではありませんが、制度がそれに伴って変わっていないのは問題です。

向陽園では平成6年から併設型の短期入所を行ってきましたが、短期入所の受け入れをどのように行っていくかが大きな課題になっています。先日、新庄養護学校の見学会に参加させていただきましたが、東南村山圏域の在校生は、小学部は、0人でした。親元から学校に通えるようにと、村山特別支援学校を各地に作っています。親の愛情が必要な児童期に親と一緒に過ごせることは、ご本人にとって大変望ましいことですが、親御さんの負担は大きいものと思います。レスパイトとしての短期入所は大変重要ですが、入所施設は、入所する方々の生活を支えるので目一杯です。介護施設で働いた経験がある職員からは、「介護施設では、短期入所専門の職員が何人もいて、短期入所を利用する方々の支援は、短期入所の職員が行っている。入所支援の職員が片手間のように短期入所の支援を行うなんておかしい」との声が聴かれます。もっともな話です。障がい福祉サービスの短期入所は、単独型にしろ併設型にしろ、別の事業に配属された職員が兼務で行っています。そろそろ職員が兼務で行う短期入所は終わりにしなければなりません。

6月末より、若い職員を対象にした「強度行動障がい支援者基礎研修」を法人研修として開催しました。6回コースで毎週行う予定です。力によらない、適切な支援を行うために、仕事終わりにもうひと頑張りしてもらいながらの講義です。ソフト面での充実とともに、制度やハード面での充実が絶対に必要です。