blog庄司園長の部屋

新年度を迎えて

桜も見ごろを過ぎ、葉桜になりかけている今日この頃ですが……。社会福祉法の一部改正による法人組織の見直し、定款、定款施行細則の変更等もあり、今年は、職員配置の内示が1か月ほど遅くなり、4月ももう終わりだというのに、様々な調整で毎日事業所周りをしています。利用する方々には、ご迷惑をお掛けしていないでしょうか。

総会、役員会シーズン真っ只中ですが、どの会合に出ても話題になるのは、働きて不足、人材難の話題です。30年前、向陽園開設時には採用試験に、200~300人の応募者があったように思いますが(その時の応募者ですが、会場には人が溢れていました)、昨年度は、予定していた採用試験も応募者がおらず、試験を行なうこともできませんでした。何とも厳しい時代です。この難局を乗り切るには、皆で力を合わせて……、ということで今年度は、法人本部の職員もグループホームの夜間支援のお手伝いをさせていただくことになりました。本日は、2回目の宿直明けです。

何年かぶりでの夜間支援、ホームの皆さんは、受け入れてくれるのだろうか?足手まといにならないのだろうか?と恐る恐るホームに足を踏み入れると、そこには向陽園開設当初から顔馴染みのAさん。第一声が、「○○さん、明日帰る?」「明日帰って、家でご飯たべるの?」……。Aさんが、向陽園で過ごされていた時には、この質問攻めで、他の利用者さんとトラブルになっていましたが、ホームでは、トラブルになりません。それぞれに自分の居場所があり、自分なりの過ごし方があり、用事を済ませば、皆思い思いの時間を過ごすため、自室に……。向陽園で過ごしていた時と、言動は変わっていないのに、皆穏やかにすごしている。

Aさんが、向陽園入所された昭和61年当時、Aさんの居室は、8畳部屋に4人が生活。真夜中に、電気が付いているので、見に行くと同室のBさんに無理矢理起こされ、赤いジャケットに着替えさせられて、眠い目で布団の上になすすべもなく座っていたことがあったけど、ホームでは、8畳間にベッドを入れ、悠々自適の生活。

この生活を守っていかなければならない。そして、施設を必要としない仕組みを作っていかなければならない。時代に抗って……。
少子高齢化社会なんかに負けないぞ。皆で知恵を振り絞り、地域生活支援の新たなあり方を模索していく1年にしたいと思います。

「決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ……」