blog庄司園長の部屋

障がい者福しの「し」は、「志」です

園長職を拝命し、様々な方々の前で話をさせていただく機会をいただくのですが、終わった後は必ず後悔です。上手く話ができなかったこと、余計なことを言ってしまったこと……。今日は、当法人の放課後等デイサービスをご利用の家族懇談会であいさつをさせていただいたのですが、またまた余計なことを言ってしまいました。本日おいでの皆様、「こんなサービスがあったら良いな」と私が考えた夢、法螺話だと、聞き流してください。

サッカーのワールドカップ2次予選が始まりましたが、サッカー日本代表の本田圭佑選手が、ある雑誌のインタビューに、「ゲームにおいて、次の展開が自分の頭で想像できるとき、そのプレーは成功する。」と応えていたそうです。どのようなサービスがあれば、利用する方々、そしてご家族の方々が幸福になれるか、どのようなサービスが今求められているのか、常に考えていくことは大切です。思い余って口に出してしまうのが、私の悪いところですが。

さて、最近は、どの会合に参加しても、福祉職場の人材不足の話題で持ちきりです。新しい「公民」の教科書には、「介護の職場は、低賃金」と記述されたそうですが、先日見た刑事ドラマの犯人は、元ヘルパーで、おにぎりが値下がりするのを待って購入し、財布ではなく、給料袋からお金を支払うという設定でした。「そんなに福祉で働く我々は貧しいか!」。

お金は大切ですが、世の中には低賃金だから避けるという人間ばかりではありません。私は、と言えば、お金はとても大好きですが、大学の同じゼミで共に障がい者福祉を語り合った仲間が、低賃金を理由に一般企業を志望したことに、「お前は口先だけで障がい者福祉を語っていたのか」と腹を立て、この道に入りました。変わり者はいるものです。

大切なのは、「遣り甲斐」や「働き甲斐」が持てる職場であること。サービスの質を担保するため、マニュアルは必要ですが、職員の話を聞くとルーティーン業務があまりにも多すぎるように思います。この仕事の醍醐味は、利用する方々と相対し、ゆらぎながら、ぶれながらも利用する方々に真摯に向き合っていくことだと思いますが、現場で働く職員の話を聞くとルーティーンに押しつぶされそうになりながら働いているように感じられます。「必要と感じた時には、業務を省くことも必要だよ」と話していますが、間違いでしょうか。その判断が、正しかったか、間違っていたか、チーム皆で振り返ることも現場力を高めることに繋がっていくのではないかと思います。歯車からの脱却、スタッフを歯車にしない支援の構築が必要かもしれません。

東京では、町田福祉園の阿部美樹雄先生たちが中心になり、知的・発達障がい者福祉にかかわる人たちが、福祉の魅力を語り合うことを目的に、「知的・発達障がい者福祉サポーターズドリームプラン・プレゼンテーション」が開催されているようです。そしてこの秋、東北でも、現場で働く若い職員自らが企画し、運営する「東北フォーラム」が郡山市で開催するそうです。この仕事に対する熱い想いや夢を皆で語り合う場になるといいですね。

そういえば、とある福祉関係の方が、障がい者福祉の「し」は、「志」だとおっしゃっていたと聞きました。「障がい者福志」。私たちは「こころざし」を持って仕事をしているのです。